○フェンネル((Fennel)
パン、アップルパイ、カレー....フェンネルはさまざまな料理にスパイスとして使われます。このハーブを料理に使い始めた国といわれるイタリアでは、パンを焼く窯にフェンネルを敷きつめ、風味をつけたりもします。とりわけ相性のよいことが知られるのが魚料理。魚の臭みを消す働きがあることから、いっしょに煮たり焼いたりします。和名はウイキョウで、中国では感じで「茴香」と書きます。腐りかけた魚肉に混ぜるとよい香りが回復することから、「回香」と呼ばれたことに由来するといわれます。
日当たりさえよければどこでも育つといわれるぐらい丈夫な多年草なので、南ヨーロッパから西アジアにかけて広く分布しています。古くから人々の生活に結びついていて、薬としても長い歴史があります。エジプト時代のパピルスにも、その薬効に関する記述が残っています。
なかでも注目されていたのは、ダイエット効果。ギリシャ語でフェンネルのことを「マラスロン」といいますが、これは「やせる」という意味の言葉から派生したといわれます。利尿作用で体内の余分な水分を排出するとともに、便秘を解消しておなかにたまったガスを出す働きがあるためです。フェンネルのお茶は、スパイシーな香りの中にやや甘みがあり、食欲を抑えます。このあたりもダイエット効果に一役買っているのです。
授乳期に飲むと母乳の出をよくすることでも知られますが、子宮を刺激するといわれるので、妊娠中は大量にとらないこと。
フェンネルのエッセンシャル・オイルも強い薬効があり、ハチミツと一緒にお湯に溶かしたものは、せき止めの薬として使われてきました。関節炎やリウマチなどの患部に塗ると、炎症をしずめます。フェンネルのお茶を飲んでも、せき止めの効用が期待できます。
0 件のコメント:
コメントを投稿