○リンデン(Linden)
初夏に黄緑色の小さな花を無数に咲かせるリンデンは、原産地のヨーロッパでは街路樹として親しまれています。
花と苞(ほう、花に近い部分の葉)を使うリンデンのお茶は、少し甘みのある上品な香りで、すっきりとしたあと味です。消化促進の効果があるため、食事のあとのお茶として、飲まれてきました。
このハーブティーには神経をしずめる作用もあり、不眠症に効果があります。ヨーロッパでは、子どもが興奮状態で大人のいうことを聞かないときなどに飲ませる習慣があるそうです。花に含まれているビオフラボノイドという成分が血圧を下げ、動脈硬化、心筋梗塞などの予防にも役立ちます。
神経質な人や、怒りっぽい人にもおすすめのお茶です。すぐれた発汗作用があるので、風邪やインフルエンザの初期症状を楽にしてくれる働きもします。
花から取れるハチミツは良質な貴重品で、リキュールやドリンク剤、入浴剤など、幅路広い用途で使われます。
小枝もハーブティーに用いられますが、あまり香りがしないので、他のハーブとブレンドしたほうがよいでしょう。小枝は、腎臓の機能を活性化させる効能が知られています。利尿作用や、コレステロールを減少させる効果があるので、ダイエット茶として有効です。
リンデンはシナノキ科の高木で、セイヨウシナノキとも呼ばれます。和名はセイヨウボダイジュですが、東洋の菩提樹とは別の品種です。リンデンはドイツ語、英語ではライム。リンデンもライムも、シナノキの樹皮の裏側にあるリネン状の繊維のことを意味しています。この繊維は、かつて魚網にも使われていました。
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