○ローズレッド(Rose Red)
ローズの起源は、6000年前のバビロニア時代にさかのぼるといわれます。品種改良の歴史も中世以前に始まったとされ、現在に至るまで、膨大な数の品種が生まれています。
ハーブティーに用いられるローズは、原種に近いオールドローズと呼ばれる品種で、園芸用のモダンローズは適しません。このうち花を用いるのは、ガリカローズ、ケンティフォーリア、ダマスクローズなどです。このほかに、花ではなくローズヒップをお茶にするものあります。
ここで紹介するのは、花を用いるハーブティー。一般的なガリカ種の中で、特に赤い花を用いるものです。ピンクの花を使うローズピンク、紫の花を使うローズパープルもありますが、風味や効能に大きな違いはありません。それぞれバッズ(つぼみ)を使うお茶もあります。
ローズレッドのお茶は、甘く上品な香りが優雅にただよいます。あっさりとしたクセのない味で、あと味もさっぱりしています。神経に働きかける作用が強く、気分転換したときや悩み事があるときに飲むと、リラックスできます。神経性の腹痛や下痢を抑えるのにも有効です。
ホルモンの分泌を調整する働きもすぐれているので、生理不順や更年期障害の症状もやわらげます。
ローズレッドは、のどの痛みを抑えるのにも強い効果を発揮します。のどの痛み止めとしてローズレッドのチンキ(アルコールでエキスを抽出したもの)が、1930年代まで医薬品として処方されていたほどです。ハーブティーとして飲んでも効きますが、痛みが激しいときには、濃いめに入れてものでうがいをするとよいでしょう。
ローズレッドの花を、入浴剤として使うのもおすすめ。すぐれた美肌効果があるうえに、美しい花びらを浮かべたバスタブで華やかな香りに包まれて、リラックス効果も抜群です。
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