○シナモン(Cinnamon)
 シナモンは、クスノキ科の常緑高木の樹皮を乾燥させたハーブで、古くから世界中で使われてきました。スリランカが原産でセイロンシナモンとも呼ばれ、15~16世紀の大航海時代に、東洋を目指した探険家たちが先を争って求めたスパイスのひとつといわれます。
 シナモンによく似たハーブにカシアがあります。これらは中国が原産とされるのでチャイニーズシナモンとも呼ばれ、聖書にも登場するほど古い歴史があります。漢方薬のケイヒ(桂皮)になるのも、こちらのほうです。
 シナモンとケイヒの区別は厳密なものではなく、世界中の多くの国で同様に使われています。日本では両方ともニッキという名で親しまれています。
 独特のスパイシーな香りで知られるシナモンは、ブレンドティーで飲むのが一般的です。スティックの場合で用いる場合と、パウダー状にして用いる場合があります。シナモンスティックを紅茶やコーヒーに添えて香りを楽しむ飲み方は、日本でもおなじみです。
 シナモンには、体を温める強い効果があります。消化を助け、胃腸の調子を穏やかにしてくれるので、下痢や腹痛をやわらげてくれます。おなかの調子がよくないときにおすすめです。特におなかを冷やしてしまったときにシナモンのお茶を飲むと、抜群の効果があります。
 強力な子宮収縮作用があるので、妊娠中は避けてください。
 アジアやアフリカでは、シナモンを料理に用います。特に、羊肉の臭みを抑える使い方が多いようです。欧米では、ケーキやクッキーなどのお菓子の材料として広く活用されています。

 
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