○ネトル(Nettle)
セイヨウイラクサの和名を持つネトルは、葉や茎に有毒のヒスタミンを含む鋭いトゲがあります。うっかり素手でさわると激しい痛みが数日間は残ります。生で食べるべきではありませんが、乾燥させたものならトゲがとれているので、こういった心配はありません。
茎からは、織物の繊維が取れます。アンデルセン童話にもネトルから糸をつむぐシーンが登場するくらいですから、広く活用されていた時代があったのかもしれません。
どこか懐かしさを感じさせるような草の香りがするネトルのお茶は、ビタミン、ミネラルが豊富なので、多くの薬効があります。特に鉄分を多く含むことが知られ、貧血の予防に高い効果があります。婦人病(カンジダ膣炎など)の治療にも用いられ、月経時の出血量をコントロールする効果もあるといわれます。
近年は、花粉症の治療薬としても注目されています。古くからアレルギー症の治療に使われていたネトルは、花粉症の諸症状も緩和します。ある機関が、花粉症の人にネトルを服用してもらう研究をしたところ、症状が軽くなった人が6割近くもいました。「花粉症の薬よりも効いた」という人も多かったそうです。鼻づまりや涙目など、花粉症のつらい症状に苦しんでいる人は、試してみてはいかがでしょうか。
このほか、尿酸をとり除くので、関節炎、痛風、湿疹などにも効きます。血糖値を下げる効能も確認されているので、糖尿病の治療薬としても研究が進められています。
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