○セージ(Sage)
セージは、肉の臭みを消すうえに脂肪を分解する効果があるので、肉料理に使われることが多いハーブです。独特の風味も、味のアクセントになります。ソーセージなどに使われるのは、すぐれた殺菌効果もあるからです。
属名になっている「salvia」が、ラテン語の「salvere(救う)」に由来するといわれることからもうかがえるように、セージの薬効は古くから知られていました。ギリシャ・ローマ時代には、万病の治療に用いられていたという記録も残っています。高い強壮効果があるので、回復期の病人にも用いられました。
セージの葉は、乾燥させると灰緑色から銀灰色に変わり、独特の香りと苦みが一段と強くなりますが、これをお茶にするとぐんとマイルドな味になります。セージはお茶としても歴史が長く、17世紀にアジアから紅茶が輸入されるまでは、イギリスでも愛飲されていたといわれます。
セージのお茶は、精神の疲れをとり、やる気と集中力を高める効果もあります。イライラするときや、気持ちがふさぎ込んでいるときにもおすすめです。ホルモンの働きを助ける効果もあるので、生理不順や更年期障害の諸症状もやわらげます。消化を促進する効果も高いので、ガスがたまっておなかが張っているときなどにもおすすめです。ただし、妊娠中にはあまり飲みすぎないこと。てんかん発作の引きがねになる成分が含まれている点も、注意が必要です。
比較的育てやすく、美しい紫色の花が咲くセージは、鑑賞用としても人気があります。変種も多いほか、仲間のサルビア属は数百種もあり、エッセンシャル・オイル、お香、ポプリなど、幅広い用途に使われています。
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